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逆起電力とは?逆起電力の発生原理と対策を解説

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誘導性負荷を電源の負荷として用いる場合、電源の出力端子間に逆起電力が発生し、電源の保護機能により出力が停止したり、電源を故障させたりする場合があります。逆起電力の発生原理を理解し、対策をすることで安全に電源を使用することができます。

逆起電力とは?

コイルに電圧を印加して電流を流すことにより、エネルギーが電流として蓄えられます。コイルへの電圧印加を停止すると、蓄えられたエネルギーが放出されます。その際、蓄えた時とは逆極性の電圧(逆起電圧)がコイルに生じます。これを逆起電力といいます。

逆起電力の発生原理

コイルへの電圧印加を停止しても、コイルには電流を流し続ける性質があるため、停止する直前の電流を流し続けようとします。この時、印加される電圧とは逆極性の電圧がコイルに生じ、その起電力によって電流を流し続けます。

逆起電力をV, コイルのインダクタンスをL, コイルに流れる電流の変化量をdI, その変化にかかる時間をdtとすると

V=L・dI/dt

で表されます。電流は徐々に減少するのでdIは負となり、逆極性の電圧が生じます。電流の変化量が多いほど、時間が短いほど生じる電圧は高くなります。

コイルを使用した製品

DCモータやファンやリレーなどはコイルを使用しており逆起電力が発生するため、取り扱いに注意が必要です。電源の負荷として、これらは誘導性負荷と言います。

モータ停止時における電源への影響

電源の負荷としてモータを接続した場合、モータ停止時に逆起電力が発生し、電源の出力端子間に出力電圧より高い電圧が発生し、電源を故障させたり、保護機能により電源が停止したりすることがあります。

また、出力端子間に逆極性の電圧が発生し、電源内部に電流が流れ込む場合もあります。

逆起電力対策方法

出力端子の+ライン側から負荷への方向にダイオードを挿入することで、電源の出力端子に負荷側で生じた高い電圧が印加されず、電源を保護することができます。

また、出力端子間の-ラインから+ライン方向にダイオードを挿入して、負荷側で生じた逆極性の電圧による電流をダイオードに流すことで、電源内部に電流が流れ込むことを防止できます。

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